しょせんゲームじゃないか

連ザ2を秋葉原のゲームセンターでやってきたというのは、ミクシィに書いた通りだが、
実は、そこで、面白い人間観察ができたのでそれを書きたいと思う。
まぁ、最初は人間観察ではなく、対戦の様子を見ていただけだったのが。。


高校生の2人組が僕の見ている台の前に、入ってきて対戦をやりはじめた。
1人はメガネをかけていて、色白で気弱そうな髪の毛の長い少年。
もう1人は短髪でいかにも生意気そうな目付きをした少年。


対戦が始まるとそれはもう凄かった。生意気な目付きをした方の少年が、
とにかく気弱そうな少年に罵声を浴びせかける。
「おい、バカ!位置取りが下手糞過ぎるんだよ!」
「おい!ちゃんと援護しろよ!」「なにやられてんだよ!」
「どこ飛んでるんだよ、お前ホントに頭悪いな」
「そうだよ、今みたいに援護すればいいんだよ」
「おい、ちゃんと○○(相手の機体名)マークしとけよ!」
(他、「バカ」と「頭悪い」という単語の含まれた発言多数)


ほんとに物凄い言われようであるが、
はっきり言ってお互いの力量はさほど変わらないように僕には見えた。
むしろ気弱そうな少年の方が上手いのではないかとも思えた。


生意気そうなガキの乗るモビルスーツはストライク・フリーダムガンダム
アニメ本編でも、主人公の1人キラ・ヤマトが乗る最強クラスの機体だ。
対して、気弱な少年の乗るMSはウィンダム。別にトヨタの車ではなくて。


ウィンダムというMSは地球連合軍の量産MSであるが、
本編ではZAFT軍に属する主人公の一人のシン・アスカによって、
時代劇で暴れん坊将軍とかに斬り捨てられる悪役のように、
次から次へとあっけなく撃ち落とされる場面がほとんどで、
これといった活躍の場などまったくないMSである。
別の言い方をするなら、戦国時代モノのドラマの足軽兵と同じポジションで、
ZAFTの量産MSと大規模に入り乱れての戦闘シーンとがある。
(両方とも強い機体使えばいいじゃん、と思いの読者も居るだろうが、
 MSにはコストという数値が割り振られており、それを2機合計で、
 自軍の手持ちコストの1000以内に留めるのが、セオリーであり、
 最強クラスの機体を選んでしまったら相方は必然と量産機しか選べないのである)


さて、そんな彼らはなかなかの強さで、何連勝かしていたのだが、
彼らはプレイしていてもちっとも楽しそうじゃない。
生意気そうなガキは、勝つために必死になって、
相方の気弱そうな少年に、汚い言葉で怒鳴りつけながら指示を出し、
気弱そうな少年の足軽兵は、なんとかそれに応えようと必死になって援護射撃をする。


なんだか見ていて非常に哀れな気分になった…たかがゲームじゃないか…。


本来高校のクラスメイトという、同格であるべき2人の人間の間に、
グロテスクなまでに生じた従属関係を、連ザをやっていて見るとは思わなかった。
おしまい。